ひぐらしのなく

記念すべき(?)一回目の題材は伝説的同人ゲームひぐらしのく頃にです。
同人・加えて様々な要素により、世間の誤解を受けやすい上、メディア等でも無理解な取り上げ方も多く、
世間の風当たりが決して良いとは言い難いゲームです。
ですが、最近は、映画化、アニメ化、コンシューマゲーム化・小説や関連書籍の出版と、かなり表に出てきてもいますので知名度は高いのではないでしょうか?

原作はサウンドノベルで、特に音の演出に定評があります。
また、様々な商業メディアに移されて発表されてますが、やはり丸まった表現や、削除されたりと、原作者の意図が100%には伝わりませんし、独特の臨場感を感じたいのであれば私は原作をプレイされることをお勧めします、値段もそれ程張りませんし。
まぁ、原作の難点としては誤字・脱字がこれでもかと多いことでしょうか。
また、サウンドノベルの性質上、小説に比べ、掛かる時間が多くなってしまい、忙しい諸兄には少々一気にプレイすることは辛いものがあるかもしれません。
しかし、それでも私は、表現や演出の巧みさ、音の力を考慮し、原作をお勧めします。
絵に癖があって・・・・・・とか好きになれない・・・・・・思っても、やってるとその内慣れます(多分、自分もそうでした)
というよりも、ある意味あの絵だから出せる怖さもあります、全編通して思ったことですが。
ホラーや恐怖もの・猟奇ものが苦手・・・・・・だから音とか視覚的な部分は・・・・・・という方もいらっしゃるでしょう。
無理強いはしませんが、視覚的にも、文章的にも、演出的にもそこまで直接的なものはありません。
音や、精神的な部分を掘り下げた文章が、一味違う恐怖を生むことさえあれ、メディアなどで煽られるような猟奇的部分での物理的な(直接的な)恐怖を生み出すものはあまりないと思います。
グロ画像とかがあるわけでもなく、恐怖を刺激するようなグラフィックも血飛沫を除いて本当に、ほとんどありません。
また、コンシューマーゲーム(PS2版)としても出てはいますが値段も張りますし、何より最終編が、原作と違いますから、賛否両論な部分が少なからずありますからね。
ボイスがあることはとても新鮮ではありますが。
それについても詳しくは後に触れます。
では、詳しく内容の方を見てみましょうか。


鬼隠し編(2008/5/23)


はい、ひぐらしのまさに幕開けとなる鬼隠し編です。
初っ端からとばしていてひぐらしらしさが出ています(ある意味で不親切、意地悪ともいう)
前原 圭一という少年を主人公とし、彼の視点から描かれています。
舞台は雛見沢村という架空の山村。
田舎に憧れる人必見、的な感じで前半は田舎の生活が綴られてもいます。
主人公はこの雛見沢村に最近引っ越してきた転校生。
しかし学校にはとても気の利いた友達がおり、グループとしていつも楽しく遊んでいます。
前半はそんな仲間たちとの騒がしくも楽しい、平和な日常が描かれています。
この部分が冗長過ぎる、またはだるい、と言った意見も良く見受けられますが、自分はまったりとした人間ですのでそんなことはありませんでした(苦笑)
少々割合的に文章を割きすぎに感じるのも無理もないのですが、それでもまったりと楽しめる人は楽しめます。
ダメな人はガンガン読んで一気に行きましょう。あるシーンで一気に目が覚めます(ぇ
―そう、私は散々『前半は』と強調しています。
ある場面から、一気に物語は不穏なものになるのです。
豹変、とも言ってもいい。
最初の最初のみ、実に衝撃的な幕開けがありますが・・・・・・。
その時と、前半の世界観の違い、違和感の正体が浮き彫りになるのです・・・・・・。
そう、平和な日常が営まれていたはずの雛見沢は、突然に、惨劇の舞台へとその姿を変えるのです。
そこで起きることはまさに惨劇。
不可解な出来事が次々と起こります。
・・・・・・それは、プレイヤーへの、挑戦状。
意地の悪い、性質の悪い、挑戦状。
惨劇に、挑め。

ひぐらしの体験版として、鬼隠し編は無料でDL出来たかと思いますので、是非プレイしてみてはいかがでしょうか?

以下ネタバレ含む考察云々↓(ドラッグで読めます)

―これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。

文章で見ると、キャラの立て方は硬い部分があるとはいえ、それでも鬼隠し編は凄まじいインパクトがあるのではないかと思います。
後半の圭一に付き纏う足音、謎の気配・・・・・・レナの不可解な行動、豹変・・・・・・。
特にレナの『嘘だっ!』は、ひぐらしの代名詞的存在です。
あのシーンはひぐらしの方向性を決定付けた、とも言えるでしょう。
最後は主人公自身が巻き起こすとてつもない惨劇(いや、まぁ他の出題編に比べればあれなのでしょうが初っ端からあれはインパクトがあるのではないかと)が待っている。
竜騎士07さんの意地悪さと言いますか、何と言いますか、容赦のなさが伺える作品です(だからこそ、生まれる面白さもあります)
また、この方は心理描写が上手いです。誤字脱字を差し引いてもこれは評価したい。
精神的部分や心の内面、そういった部分を描く部分がとても一逸です。
また、伏線の張り方が凄い。
まぁ・・・・・・風景描写など、その他描写に関しては文章力、と言いますか、そういった部分に若干の難を感じたとはいえ、別に特に意識して読むわけでなければ気になるほどでもなかったですし、サウンドノベルとしてみれば、何よりもグラフィック・音という武器があることで、その点は全く問題がないと言えます。
それに、この方はストーリーのアイデア力やシナリオの構成能力こそが光っていますし、本当に評価すべきところでしょうしね。

こうしてみると、手放しに賞賛しまくってる感じだなぁ・・・・・・。
そんなつもりは、ないんだけど。
んじゃついでに。
個人的な意見を申しますと、沙都子、梨花が後半部分であまり出番がない、というか印象を残せないと言うことが少し気になりました。
どのシナリオにも言えるのですが、スポットライトを当てるキャラ以外はどうしても、というのはとても分かりますし、冗長にならず、上手く出番を作るのは難しいのも良く分かります。
しかし、仲間であるならば、鬼隠し編は、もう少し出てきて、圭一に接触しても良かったのではないか、と思うのです。
梨花が圭一が○○(ネタバレとは言え鬼隠し編の感想でこれを書くのはどうかな、と思ったので伏字。一応言えば解の後半になれば嫌でも出てくる英数字の単語)の状態になった後に接触を控える、というのはまだ理由が掴めます(この理由推定も解をやれば理解していただけると思います)
しかし沙都子は・・・・・・。
一応は気にして―とか、幾らでもあると思うのです。
描写してないだけ、ということでもあるのかもしれませんけど・・・・・・。
或いは、聡史のバットを持っていることに強い嫌悪か、または不安を抱いたのでしょうか。
それならば出てこない理由になりえますが・・・・・・あくまで想像の域を出ませんね。
所謂豹変したレナの印象が強く、また同時に出る魅音に恐怖にも似た違和感を覚えさせる、それだけでも鬼隠し編としては充分なのかも知れませんが・・・・・・。
ひぐらしのテーマを思うと、少し、残念です。


綿流し編(Coming Soon...)